フードジャーナリスト曽我和弘の三田“食”紀行

フードジャーナリスト曽我和弘氏が福助グループをめぐる 食紀行。スタッフから素材や料理にかけるこだわり、 お客様に対する思いなどを聞きだしながら、 曽我氏の鋭い論評を交え「三田の食」を語っていただきます。

Vol.
12

2018.3.21

噺家二人まで参加した「ふく助」のフレンドリー的宴会の醍醐味

前回に告知した落語付きボタン鍋食事会が春一番が吹く中、三田の「ふく助」で開かれた。第一部は桂三幸さん、桂小留(チロル)さんによる落語会で、第二部はそのネタをもじった食事会である。同食事会の素晴らしい点は、落語と宴会のコラボなる企画だけではなく、そこまで盛り上がるかというぐらい盛況な宴にある。蔵元自慢の日本酒と猟師が獲って来た猪肉も旨いのだが、まさに「宴とは盛り上がるべきもの」を地で行く雰囲気を見せつけている。あまりの盛況ぶりに噺家さんまでその垣根を取っ払い、一献やるようになってしまった。今回のコラムは、そのムードを少しでも伝えたくて2月28日のレビューを書いてみた。

Vol.
11

2018.2.7

今度は落語会付きボタン鍋の会!プロの噺家を招いて日本酒片手に猪肉を食べるのだ

 11月に好評を博した「ふく助」のテーマ別食事会。オーナーの福西文彦さんが「二回目もある」と言った通り、2月28日にボタン鍋の食事会が企画された。今回は日本酒を福西さんがチョイスするそうだが、それだけでは終わらない。何とプロの噺家を招いて落語会付き食事会にしてしまおうと考えている。仮りに「池田の猪買い」をやるとすれば(まだ未定だが…)、まさに立体的に落語が味わえることになる。19時から約一時間弱噺を聴いてから場所を移してボタン鍋宴会を。こんな楽しい企画なら厳冬も吹っ飛んでしまいそうだ。興味のある方は、まず「ふく助」で予約をば…。

Vol.
10

2018.1.19

清酒「福寿」を飲んで、旬の落ち鱧を食べる_、そんな食事会が高く評された。

以前このコラムで述べた神戸酒心館の酒ソムリエを招いての食事会が大成功した。当日は湊本雅和さんによる酒の話があったり、淡路島・由良漁港から「海幸丸水産」の橋本一彦さんが鱧を持って来たりと、なかなか充実した内容で、訪れた方々もなかなかいい時間を過ごしたのではないだろうか。「こんな催しなら年に何回もやってほしい」の声はお世辞ではなく、むしろお客様の本音だろう。今回は、昨年の11月15日夜に「ふく助」で実施した第一回"日本酒と落ち鱧の夕べ"のレビューを書くことにする。当日来られなかった人もこのコラムを読んで、本企画の内容に触れてほしい。福西社長の言葉を借りれば「二回目もある」そうだから…。

Vol.
9

2017.12.4

400 頭を切った希少価値ある三田牛。その中でも等級の高いものが「廻」なる呼称を与えることで区別化された

兵庫県はいい牛肉の産地として知られている。殊に神戸牛は、昔から世界的ブランドで、これを食べる目的で訪日する人までいるほど。では、三田牛はどうか?神戸牛は兵庫県下の但馬牛で、定義の等級を満たしているものを指す。だから三田牛もそれに含まれる。さらに三田牛は三田市内で肥育されている雌牛で、生後 28 カ月以上(平均32ヶ月)たったものがそれにあたる。実は神戸牛より三田牛のほうが少ないのだ。今は 400 頭を切った三田牛だが、その中でも上のクラスを「廻」(かい)としてハイグレードに位置されることが決まった。今回は「パスカルさんだ」の精肉部を訪ね、「廻」の話を中心に三田牛のことを書きたい。

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