池尻にイチゴ農園を構えてからあしかけ4年になります。まだ素人に毛が生えた程度だと自分では思っています(笑)。JA兵庫の推奨ブランドとされている紅ほっぺと香り乃の2品種をハウス栽培しています。ハウスの中にイイ香りがしているでしょう?この香りに誘われて、道すがらお客様がお見えになられることが多い。「うわあ大きい、おいしそう」って言ってもいでいかれます(笑)。ながしお農園のイチゴのハウス栽培について、ご存じのない方は珍しがられて僕の案内説明に「勉強になる」と感心しきりです。1つのハウスに200〜300株ほどかな。1株に10〜20ほど花が咲き、実をつけます。実をつけるためには、花の受粉(おしべがめしべに花粉を付ける作用)が必要なわけです。それは、誰がするのか?もちろん僕でもなくスタッフでもありません。時間と手間がかかって大変でしょう?と思われますが…それはナンセンス。ちゃんと役目を担ってくれる自然の力を利用しているんです。
その正体とは花の蜜を集めるミツバチの習性です。それを利用して、ここにあるすべてのイチゴの花の受粉を担ってもらってます(笑)。農業やハウス栽培に詳しい方には常識ですが、一般の方は目を見開かんばかりに興味津々… (ハウスの隅に置いてある木箱を指して)ここが彼らの巣です。およそ6,000匹います。室内も空調で快適な環境に保っていますから、彼らにとっても効率がよく働き甲斐がある(笑)。実家では水稲耕作で三田米(山田錦)を作っています。この地にもともと備わっている土壌と水質の力でできる地産米として、福助グループ様にもご重宝いただいています。農業というのは、その作物にとって必要な自然の環境とか習性などを恵みに、いかにうまく活用するかを考える営みです。これが「ながしお農法」の核心(笑)。今後も三田に新たな農法を提供して、消費者だけでなく生産に携わる人々が共に喜びを分かち合える農業を実践したい。そして後人の育成を図っていきたいな。
ながしお農園 オーナー : 永塩有
モットー●ながしお農法の開発と後継。 趣味●新たな農法の開墾